MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

レトちゃん・・・

  • レトちゃんが、今日は全然食べない・・・。

いろいろ手を変え品を変えて口元に持って行くのだが、嫌そうに避ける。
好物に薬を忍ばせて口に入れていた方法も、今日はもう出来ない。
水だけは少し飲むが、牛乳となるともう駄目。
彼女の傍にじーっと座って、お腹をさするだけしか出来ない私。
首を持ち上げて時々私の顔を見るが、すぐにどたんと首を落とす。
荒い息が今までとちょっと違う感じだし、舌の色が綺麗なピンクだったのがちょっと紫がかって見える。それに、左肘や右目の上の腫瘍が干からびたように様子が変わっている。
今までは盛り上がった腫瘍から体液や血液が滲出して、如何にも活発な、憎たらしい程の繁殖力が伺えたものだ。
全身が衰えて行く過程をじっと見守るだけしか出来ないことは、本当に辛いことだ。
でも、これも仕方ないこと・・・。
動物を飼ったなら、必ず通らなければならない試練なのだから、じっと耐えるしかない。

う〜〜〜ん・・、辛いぞぉ! 辛いぞぉ! でも、頑張れ!MEME。
レトちゃんはもっと辛いんだぞ!

  • 去年の年末近くに孫(ナンバー4)の入院騒ぎがあり、小児病棟に何回か見舞いに行った時の衝撃を思い出した。

個室から一般病棟の6人部屋に移った時、気が付いたら、隣のベッドがこんもり盛り上がっていて、そこから「ヒューヒュー」という機械的な音がしていた。
「ん?」という目線を感じたママが「人工呼吸器・・・」とちいさな声で教えてくれた。
ベッドの名前を確認すると、可愛い女の子の名前が・・・。
面会時間なのだが、そちらには付き添いも無く、面会者も無く、ただ静かにシューシューという音だけが規則的に聞こえてくるのだ・・・。
だけど、他のベッドの子供たちや付き添いの親たちは、玩具を弄ったり話をしたり何事も無いような風景で過ごしている。
この女の子の親も、きっと心を鬼にして「きたる事態」まではお勤めなり他の用なりをして心の準備しているのだろうなぁ・・・と、胸が締め付けられるような気持ちだった。
どんなに騒いでもどうにもならない事ってあるよなぁ・・・。
そういう場面に遭遇した時に、それぞれの生き方が試されるのだろう。
意気地なしの私には、耐えられるだろうか・・・?
いや、耐えなくては!!

いくら「家族の一員」とはいえ、寿命を全うする愛犬の問題でしかない私の立場と、これからの将来がある可愛い我が子の緊急事態を抱えた親の立場では大きな大きな差がある。
そんな胸が張り裂けそうな日々でも、一日一日耐えている方がいらっしゃることに思いを馳せると、イザとなった時の人間の強さがしみじみ伝わってくる。
私は医者や看護士さんには絶対になれない人物らしい・・・。弱虫め!


もう無理に食べさせないで良いことにしよう・・・。
確実に結末が待っている症状なのだから・・・。
呼びかけに見上げるやさしく可愛い左目。 つらいよぉぉ!


でも、 ん!!頑張ろう!!