MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

ポケットの思い出

     

  • ポケット・・・、どらえもんの秘密のポケットでなくても、何となく心惹かれる存在。(多分)

しかし、私、ポケットが怖い・・・人なのだ。

  • 昔々のその昔、戦争が終わった直後の食糧難の時代だったから、私は多分3年生位の時だったと思う。

毎日、歩いて10分程の「みのりちゃん」の家に行っては夕方まで遊び呆けていたものだった。
その家の脇に「ぐみ」の木があり、時には甘い楕円形の小さな可愛い実がなって、サーモンピンクのそのやさしい曲線に沿ってほのほのした白い産毛のようなものが生えているのがとても印象に残っている。
その後見かけた事がないが、今は「ぐみ」を食べる人はいないのだろうか。

  • その「ぐみ」を、甘さに飢えていた私達はいつも競って食べたものだ。

そんなある日、何時ものように夕焼けこやけの中を「ただいまぁ」と帰宅し、何気なくポケットに手を入れた時、「・・・・ん?」という感触が・・・。
その数秒後の、悲鳴と共に受けた「トラウマ事件」が、今も、そしておそらく一生涯「私とポケット」の関係を運命付けたのだった!
出てきたものは・・・、今思い出しても背筋が凍るが、ピンシャンとくねる小さな虫。  (>_<)’’’’

  • 60年以上経った今でも、洗濯もののポケット点検の際に「あの瞬間」が再現されて鳥肌立つのだ。

このしつこい「恐怖のトラウマ」は、一生付いて回るものだと覚悟している。
それにしても69歳のおばあが洗濯機の前で「ふわわわ」と震えながら家人のポケットの点検をしている図を想像するだけで「ば〜か」と思うのだが、これはもう、仕方のないことで・・・。
(ーー;)

  • そうそう、その「みのりちゃん」のお母様がとても良くして下さって、時々美味しいおやつを下さったものだ。

ある時、その当時には贅沢品の桃をつるりと皮を剥いて一個丸まる出して下さり、それはもう嬉しくて、いただきます!と「ガブリ」と一口・・・・・、わ、今又思い出して震えあがっている!!  ひょえ〜〜〜〜!
何と!種の処から、にょろりと白いものが・・・!
その瞬間! ジューシーな白桃が宙に舞ったことは言うまでもない・・。

ごめんなさい、お母様。
きっとこの桃を手に入れるのも大変な貴重品だったでしょうに・・。 (ーー;)


「むし」繋がりで一気に書いてしまったが、今は亡きみのりちゃんのお母様、本当に可愛がって下さり有難うございました! (いや、虫は関係なく・・)