MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

素敵なお話

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  • 今日は、私の刺繍シリーズをちょっとお休みして、ちょっと素敵な事を書いてみます。

このドレスは前にもここでご紹介したことがあったのですが、これをお召しになったK嬢とお母様のことで、いつか書いてみたいことがある・・・と、その時も書いた記憶があります。
先日、カナダでのコンサートから帰国なさり、お元気でご活躍のご様子で安心した。

  • K嬢の事は、今年7月10日(?)のNHKテレビ「特報 首都圏」を何気なく見ていて、彼女のことを取り上げていたのを拝見して知った。

実は彼女は、ピアノに真剣に取り組む中学生。
一つだけ皆と違うことと言えば、左手の指にピアノには不都合な点があるという事。
その不都合を物ともせずに、人の何倍も練習してそれを乗り越え、コンクールの千葉大会も突破!とのこと。
そのテレビを拝見し、主人共々本当に感動したことでした!
優しそうなお顔に秘めた心の強さに、心から魅入りました。

  • それから一ヶ月程経った頃、前から存じ上げている方から思わぬメールが・・・。

「K嬢が千葉県大会を見事突破し、とうとう全国大会にまで出ることになったのだけど、急なことで、ドレスで困っていらっしゃるのですが、MEMEドレスを作っていただけないでしょうか・・」というもの。
びっくりでしたが、テレビで拝見し、その不屈の精神にすっかり参っていた私は、勿論喜んでお作りすることに。
いつものように「日暮里探検隊」の出動!(^_-)-☆
お母様とピアノの先生とご本人、それに私、と4人で日暮里を生地探しで練り歩く。
そして、綺麗な濃いピンクで作ることになり、白い肌の色にぴったりなドレスが出来そう・・と一安心。
すっかり疲れて、中華料理店でお昼をご一緒にすることになった。
そこで初めて具体的なハンディに目が行った。
このハンディでピアノを・・・?!という思いから、つい言葉が出てしまった。
「よくがんばりますね!このハンディでピアノを・・・信じられませんわ」・・・
その時のお母様の言葉に本当に心を打たれた!!
「指が10本全部健全に揃っていても、使わなければ何にもなりませんよね。私は指が10本あって、ピアノを習いましたのにろくに弾けませんから」

そうなのだ・・・!
本当にそうなのだ!
少しのハンディがあっても、それを補って頑張る方法を見つけ出して行くのがK嬢の生き方なのだ!
もう、本当に心があったかくなるのを感じた。
よ〜し!絶対に一番素敵なドレスをお作りするぞぉぉ!

そこで出来たのがこのドレス。

わたしにとっても、とても記念になるドレスになった。
全国大会でもご活躍。
その後、「カナダにピアノパラリンピックを誘致するためのデモンストレーションリサイタル」に参加。
これは、去る1月に横浜で開かれた第一回ピアノパラリンピックインジャパンの参加者に呼びかけられたものだそうです。

絵の専門家であるお母様の手による黒いパンツの裾に桜の花を描かれた舞台姿を写真で拝見したが、今度もまた頑張って娘さんの晴れ着の絵をお描きになるとかおっしゃっていた。
是非拝見したいものだ。

私は、「頑張る人」が好き!
それが例え実を結ばなくても、頑張る過程で絶対何かを会得すると信じている。

頑張ろうね!K嬢!
頑張ろうね!お母様!
頑張ろうね!私!
頑張ろうね!みんな!

私は「頑張る人」が好き!
頑張れなかったらそこで一呼吸して休息しても良いと思う。
最初から諦めないで、兎に角やってみる・・・
そこで得るものは沢山有ると思う。
「どの道も、思ったより奥が深いものだ!それを成し遂げている人は偉い!」と気付くことだって素晴らしい発見だと思う。
「私の限界はここかな・・?」と気付くことだって、やってみなければ分からない事。
分かって新しい人生を発見することも素敵。
それを見極める努力もしないで、後になって「あの時やっていればもっとどうにかなっていたのでは・・・」という幻の後悔で唇をかむ人生は嫌だ。
頑張って、努力して、そして、初めて分かる自分の[ 身の丈]。

  • ドレスを作っていると、こんな素敵な出会いもある事に感激!