MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

車中ウォッチング(鳩杖編)

さてさて、久しぶりに「車中ウォッチング」。

千駄ヶ谷からの帰りの車中での出来事。
丁度「年寄り席」が空いたので一番端(扉側)に座ってほっと一息。
この頃は、恥も外聞も無く座りたくなる・・・。  (~_~;)


次の駅で対面の座席の一個が空いたが、乗り込んできた老紳士がよろよろとその空間に座った。
危なっかしい足取りのその紳士の手には、アノ「鳩杖」がしっかりと握られていた。



先日、家人のかっての勤務先から80歳(数えで)になると贈られる習わしの「鳩杖」が届いた。
それで「鳩杖」というものを知った訳だが、その紳士はその鳩杖が無くては歩けない位の気配・・・。


電車が動き出し、ふと前の席のその紳士に目をやると、何やら私の近辺が気になる気配。
何か言いたげな表情を、見るともなく見ていたが、「やだ!まさか私の顔のベル麻痺に気が付いた・・・?」とか、「もしかして、私の服装がオカシイ・・?」とか、「えっ、やだ! 私に見惚れている・・?」とか(えへ!これはウソ!)・・・、何となく落ち着かない。

・・・!!!!と!!!!


にゅ〜!!っとその「鳩杖」の握りの部分が私の目の前に!
「えっ、なになに?!」とのけぞる私の目の前で、力なく宙を彷徨う【鳩】・・・。
紳士よ!気は確かか・・?とびっくりして目を上げると、中腰になってはぁはぁぜーぜーのおぼつかない足を踏ん張って腰を浮かせている!!!



ぎゃ! な・なにを血迷っていらっしゃる〜〜!  と叫びそうになったとたん、その杖の「鳩」ちゃんが、到着すべきところ【隣との境の扉の取っ手】に届いて、紳士が全身の力で杖を引っ張って戸を閉めているところだった・・・。

・・・つまり、開いていた「戸」を閉めたかったのだった・・・。
誰かが開けっ放しにして隣の車両に移動して、私の席側に開け放した扉の取っ手が来ていたのだ。


閉めてくれ!という「ワシ」の願望を気配で察してくれよぉ=!  と目線ビームを送っていたのに、私は全然気が付かなかったのね。
その視線を・・「私に気があるぅ・・?」などと・・(^O^)/  きゃ! きゃ!きゃ!   ふふふふ

全身全霊の力で扉を鳩杖の取っ手で引っかけてぐぐぐぐxxxっっと引き寄せ、その後息も荒くシートに身を沈め、ふうふういいながら目を閉じている紳士。



ごめんなさい〜〜〜〜・・・、気が付きませんで・・・。   (~_~;)




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今、NHKの特集番組【仁淀川〜青の神秘】という番組を見終わったところ。


★★
圧倒的な透明度を誇りながら、日本人の水の記憶を呼び起こす清流がある。四国を流れる一級河川仁淀川」だ。胸を打つような美しい水は「仁淀ブルー」と呼ばれ、水質は日本一。河原に目を向ければ、水遊びに歓声をあげる子どもたちやアユ取りに熱中する漁師など、昔ながらの人と川の触れ合いが残っている。そして、驚くべきことに河口までもその水は青く輝いている。巡る四季のなか、この日本一の清流を源流から河口まで旅する
★★


2年半だけだったけれど、四国は高知に住んだことがあるので、ちょっと見て見た・・・!  が!!!!!
あまりの映像の美しさに釘付け!

ため息を付きながら50分間身動きが出来なかった!
(実はトイレに行きたかったのに・・・ (~_~;)


映像の美しさは只者ではない!!!
カメラの機能を縦横無尽に使いこなしたその輝くばかりの川の流れの美しさに、ただただ驚き!


しかも、随所に表現される自然の定めのようなものも織り込みながら・・・。
例えば、一番心に残っているのは、「蛍」の生き様・・・。
美しく舞いながらロマンを求めて彷徨い、地表に出てから10日間の「恋」を終えた蛍が、仁淀川の流れに身を任せて川面を漂いながらも、最後まで美しい光を放っているサマは、本当に心をワシ掴みされたようなショックを受けた。
人生、そうありたいもの・・・と。


その末期の川面の漂いをカメラに収めた画像は、キラキラ光る光の帯になっていて、川面に落ちた場所を中心にくるくると輪を描くようにゆっくりと丸く漂い、そして最後の場所でプツリと光が消えていた。
その、最後の場所の手前が、一段と光り輝いていたのが見て取れて、胸に落ちるものがあった。


この美しい色を【仁淀川の青】と言うのだそうだ。


・・・・・・・・番組が終わったとたんにトイレに駆け込んだことはいうまでもない・・・。  (~_~;)