MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

車中ウォッチング(私編)


ご近所さんの「ぶらしの木」




今日は「日暮里探検隊出動日」。
11月のピアノリサイタルでお召しのドレス生地を探しに。


私の最寄駅のプラットホームで、「デッサン会」のお仲間(男)にばったりお会いした。
「あら、お久しぶりです。お出かけですか?」(このフレーズって、ちょっと馬鹿っぽいけど、便利なんですよね・・
出かけて来たからこそここでお会いしているのに・・・)
「えぇ、歯医者さんまで」
・・・から始まって、長寿大学を卒業して、今度はその上の県立の長寿大学に入るつもりだ・・との話に発展したところで電車が来た。
乗り込んだら、車両端の両側に一つづつ空席があったので、それぞれにお別れして座った。
次の駅に着いた時、私の隣の若者がすっと立ち、「どうぞ」と先ほどの絵の仲間を私の隣にいざなう・・・。
「へっ??・・・」という感じの目で若者を見送り、彼が腰を曲げたまま私の隣にとことこと移動・・・。
いつの間にか若者の姿は見えなくなっていた。



「うふふ、きっと私達のことを夫婦だと思って気を利かせたのですね」と私。
「いやいや、光栄です!」と頭を掻く彼。


でも、でも、絶対彼の方がず〜〜っと年が上だと思う・・・、というか、私の半分かと思えるような「骨川筋衛門」の肉体保持者で、見るからにおじいさん(ごめん、よく考えれば私も見るからにおばあさんだった・・・)。
まさか夫婦には見えませんわよぉ・・・と内心思ったものだった。


ところが、話しているうちに、「デッサン教室の他に【ダンス】をやっていましてねぇ、長寿大学の方もあって、なかなかデッサンにいけないんですよ」
「今、ダンス教室では【タンゴ】をやっていてね、そのお相手が、太った女性で・・、あ、あなたより少し細いかな?・・・、タンゴってのは、クッと首を反らしたり足裁きもシャっ!としなくてはいけないのに、その太った女性の動作がゆっくりで参っているんですよ。
太った人にはダンスは無理ですね。(なぬ?)
男性の足と足の間に女性をクッと挟んでステップを展開しなくてはいけないのに・・・うんぬんかんぬん・・・」
「息子と二世代住宅で住もうか・・・という話になったことがあったのですが、家内が【嫁姑】問題を心配して反対したものだから、別に家を建てて、今では嫁の母親と息子一家が二世代で住んでいるんですよ・・・。
そうなると、私たち夫婦は置き去り状態で、小学校の孫は、おばあちゃんと言えばあちらの親を指す感じですよ」



次から次へとお話なさる言葉から、「あれ?もしかして、この方は考えるほどご老人ではないのかな・・?」と思いだし、「Aさんは何年生まれですか?」とお聞きしてみた。
「○○年です」・・・・え〜〜っ?!  私と同じ!
よく聞けば、私より何ヶ月もお若い!  うっそぉ〜〜!  (00);


先の
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「うふふ、きっと私達のことを夫婦だと思ったのですね」と私。
「いやいや、光栄です!」と頭を掻く彼。
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の会話は、「まさかぁ?!」の確信から出た言葉。
てっきり、80歳は出ていらっしゃると思い込んでの冗談だったのに・・・。

いやん! 私の方が年寄りだったなんて・・・!  ぎゃお



かくして、「自分のことを一番知らないのは自分」という事を見事に知ったのだった。