MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

認知症について

ある女優の老後の姿を追ったドキュメンタリー番組を見た。
その名は「南田洋子」さん・・・76歳。
ここ数年テレビで見かけなかったな・・・と思っていたら、何と、認知症と戦っていたという。
夫である長門裕之さんが、夫人のこの「認知症」の症状を記録し、ありのまま残すことを決心しての撮影だという。
美しく微笑む知的な女性だった南田洋子さんの、あまりの変貌に驚愕すると共に、この姿を見たくなかった・・・という思いを持った。
公開することはご主人の決断だったとはいえ、彼女の承託があった訳ではない筈。
ご夫婦の絆とも思える二人だけの約束事に反応する姿がいじらしかった。


それにしても、あんなに変貌したお顔でありながら、なおも笑顔が出ていた瞬間は眩しいくらい美しかった。
美しさは皆無の私だけれど、せめて「笑顔」だけは忘れないで生きていこう・・と胸に誓った!


病院のベッドで、食事をするのを嫌がって「嫌!」「嫌!」と顔を背け続ける彼女に、「食べてくれ!」とスプーンを持ったまま途方にくれる夫。


そのシーンを見ながら傍らの家人に私は言った・・・。
「私が[食べたくない]といった時はそのままにして頂戴ね」
・・・・でも、家人はやっぱり多分同じようにスプーンを口に持っていくだろうなぁ・・・と思う。
人のことを参考にした時と実際に自分が直面した時とでは、正しい判断は出来ないだろう・・・。
だから、人のことは何とでも言えるが、自分の事となると判断が怪しくなると思う。


認知症」・・・、一番怖い存在。  (@_@)