MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

母親の気持ち・・・

先日福岡で起こった悲しい事件、「6歳男児死亡」の記事を読みながら、母親・息子さんの関係に心痛んだ。
無事にこの世に生まれた命を謳歌して育ち、その命を見守りたいと願うのが常の親子の関係だろう。
だけど、一つ歯車が狂うと、このような悲劇が起きてしまうのか・・・?
その「歯車」のひとつの要因である「心身の健やかな発達」のつまずき。



先日出かけた先のバスの中、中学生らしき少年と母親が乗ってきて、私の前に立った。
混んでいたこともあり、二人の間に一人が割り込んで親子は離れ離れになってしまった。
間もなく、少年の挙動に少し違和感があるのを感じたのは、母親がじっと彼の一挙手一投足にびりびりとした視線を送っているのに気付いたから。


間もなく、すくすくと育った美しい少年の口からこぼれる小さな呻き声が耳に入った。
変声期を過ぎた低い声が私の胸を打つ。
その瞬間、「○○ちゃん!」と小声で、しかも厳しく叱責する母親の声・・・。
じ〜っと、本当にじ〜っと、我が息子の行状に目を見張る母親の緊張が一本の張り詰めた糸のように見える。
そして時々口を出る音声にその度に叱責し、周囲に小声で「すみません・・」と頭を下げる母・・・。


前に座っている私にも「すみません・・・」と・・・。
思わず言ってしまった。
「大丈夫ですよぉ! そんなに気になさらないで・・・」


程なく人ごみを掻き分けて二人がバスを降りていった。
母親が軽く会釈をしながら・・・。



もっと何か言って差し上げればよかった・・・。
その後、ずっとそんな事を思ったことだった。


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福岡で起きた6歳の少年の不幸な事件。
その母親がやった事はどんなに責められても仕方がない行いだっただろうが、その事件を取り上げた新聞等の報道を目にする度に思い出すあのバスの母親の目・・・。
「そんなに気になさらないで・・・」しか言えなかった私の言葉の貧弱さに、わが身が恥ずかしい。


ハンディを持った人の迷惑な行動も、少しは許容してこその社会ではないか・・?
もっと堂々と生きていって欲しい・・・!
がんばれ! 


車中ウォッチングという軽い乗りで書く事柄ではないが、ずしりと重い出来事。