MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

車中ウォッチング(携帯電話編)

  • こんな携帯電話は今まで見た事が無い。

先日買い換えた時に薦められた新機種にもこんな形は無かった・・・。

  • アイボリーのぽっこり厚い物体を操って器用に何かを打ち込んでいるスーツ姿の若いイケメン君。  電車で立ったまま。

勿論、計算機では絶対無い。
ちゃんと半分は携帯と同じ窓が付いていて、下の方にはキーボード風のものが備わっている。
今常識的になっているパチンと蓋(?)が締まるような形態ではなく、まさにこのように窓やキーボードがむき出しで、蓋がない。
最近の新機種で、細長いぺッタンコの「画面むき出し」は確かに有るが、軽くて薄くて、ワイシャツのポケットに入れても気にならない程の厚さだ。
それに引き換え、彼のは、小さめの「厚揚げ」風・・・。


  • このイケメン君の隣に立ったままでお化粧をしている若い娘のウォッチングをしていて、ふとその隣のイケメン君のこの携帯に目が行ったのだった。

混んだ電車で立っていた私の隣が「お化粧娘」、その隣が「携帯君」というシチュエーション。
「お化粧娘」は、電車に乗り込んで直ぐに目の化粧を始めた。
ペンシュルで何回も何回も、これでもか!という位何回も目の縁を描き捲くる。
電車の振動で揺れながら、今度は睫を挟んで上に向ける機械を取り出し、ぎゅっぎゅっと締め上げる。
それからが見もの・・・。
口をあわ・・と開けたまま、今度は睫に細いブラシで何回も何回も黒い液体を塗り上げる。
途中グラリと揺れて、思わぬところが黒くなったらしく、慌てて目をぬーーと細くして、こびりついた液体を盛んに爪でこそげ落としていたりして・・・。
でも、真剣勝負の20分間を過ごした割には、「ゲゲゲのきたろう」みたいに半分顔を覆っている茶色の前髪で、隣の私からは目など全然見えないぞ。

  • そんなお化粧娘には見向きもしないで携帯を打つ「長身のイケメン君」。

時々荷物棚に手を伸ばし、飲料水のボトルを手に取ってコクリと飲むと、蓋をしないままそっとまた荷物棚に立てる。
をいをい! 揺れて倒れたらどうするのよ〜ぉ! (>_<) 蓋をしなされ〜!
下に座っている人が水難するでしょうが・・!!!
と、はらはらしながらも、ふと気が付いた例の「携帯(?)」に興味を持ってしまった私。
最初は、「イケメン君」よ、こんなバカ娘に騙されないでね! 百回も墨をこすりつけた「魅惑の目」(?)に見つめられても、雄雄しく自分を持って生きるのよ! などと、細くて綺麗でウブなウナジを見て余計なことを考えていたものだ。


  • ・・・・・で・・・、携帯電話の話に戻る・・・。

そのアイボリーの物体をポケットから取り出しては、何かを打ち、また仕舞う・・。これはもしかして、新機種の携帯電話なのかも・・・?
でも、ぽってり厚くてむき出しの窓は、どう考えても新機種とは思えないし・・。
そうこうする内に電車が日暮里に着いた。
・・・と、イワクのペットボトルに、何処からか取り出した蓋をきりりと締め、網棚にあった袋をひっぱり降ろして入れた。
ん???、何処かのおばちゃんの買い物袋かと思っていたら、なんと、彼の手提げ袋だったのだ!
紺地に白の総模様・長めの二本の紐、それをおばちゃんのように肘にかけて降りていった・・・。

  • そこで確信した。

あの物体は、「最新機種の携帯」ではなく、「一番初期の頃の携帯」のシーラカンスであっただろう・・・と。 
・・・・・・結構、私、好きかも・・・・そういうヤカラ・・・・。
かわゆい。  (^^♪





  • −−−−−−−−−

先日の浅草での久しぶりの楽しい時間を書こうとして、またまた脱線。
行きの電車のウォッチングになってしまった。

  • 新潟の個展の感動的な記録も書かなくては・・と思いつつ、またまた時間切れ。

急ぎのドレスさまの所に行かなくては・・・。
ま、焦らずゆっくりと書きましょう。