MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

車中ウォッチング

retoto2006-09-12

  • 生憎の雨の中、今日は「日暮里探検隊」の出動。

静岡からお出でになった親娘さま、「今朝家を出る時は晴れていたんですよ!」ですって。東京と静岡ではお天気もこんなに違っているのね・・と、妙に感心。

  • オーケストラをバックにしてのヴァイオリン演奏会を来月に控え、今回はショッキングピンクで頑張ってみよう・・ということで、シルクシャンタンの綺麗な色をお求めになる。

お背にも恵まれていらっしゃるので、どんなに素敵な舞台になるだろうと、作る方もわくわくしてしまう。

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  • さて、今日も朝の電車に乗り込み、イザ日暮里探検隊出動!・・・「車中ウォッチング」が出来るかな・・?と見回すが、残念!、取りたてて何も興味ある事柄に出会わない。

折角のお出かけのチャンスだけれど、今日は空振りかな・・?

  • 斜め前に座ったふっくらした30台の女性が大きなキャンバスを足元に抱えている。

絵の教室にいらっしゃるのね。
キャンバスを包んでいる茶色の袋に「ishido」の記名。私にもおなじみの画材店。
何となく親近感を抱きながら見ていると、隣の駅からおばあさんが乗り込んできた。
杖を手に、ちょっとお足元が頼りない感じ・・・。
目が行くと、すぐさま席を譲ろうと立ち上がる彼女。
大きなキャンバスと、他に二つのバッグをどかしながら、「どうぞ」・・・。
「あらら、いいんですよぉぉ!お荷物がいっぱいなのに。え?あらぁ、そうですか〜?すみませんねぇ・・・」小さなおばあさんは、恐縮しながらもするりと座席に座る。
お互い、荷物の多さに気が付くが、成り行き上もう引っ込みがつかない。
その瞬間!その大きなキャンバスをワッシと掴かみ、「じゃ、荷物を預かりますね」と言うが早いか、自分の膝の上にその大きな大きなキャンバスを縦にして載せた。
わ・・・!その瞬間、おばあさんの姿が掻き消えた・・・!
つまり、キャンバスの下から見える、膝から下の短いズボンと小さな靴と、杖がおばあさんの全存在・・・。
女性には三つの荷物があったのに、一番手前のキャンバスを縒りによってワッシと掴んだおばあさんの運の悪さ。
「いいんですよぉ〜! あら、すみませんん〜!」と仕方なくキャンバスを預けた形になった彼女も、その姿にちょっとあせあせ模様・・・。
何しろ、上半身にフスマを立てかけたような(?)おばあさんの姿。
いきがかり上の出来事だったけど、小さい方の荷物を持つべきだったなぁ・・と、きっと後悔しているだろうなぁ・・と、姿が見えないおばあさんに同情しながらも、くっくっとお腹とホッペがヒクつく。
おばあさんの視界は、「ishido」の茶色の大きな袋しか見えない。
自分の体に不似合いな大きなキャンバスを落とすまいと、短い足を背伸びさせ、膝を立てて耐えている姿(足)は、本当に懸命!
22.5位のサイズのぺったん靴を、背伸びの「逆ハの字」にして耐える・・・!
(ーー;)

電車の振動でずり落ちそうになるキャンバスを持ち直す手が見える。
その度に、「ishido」のハードなビニールの袋が「ワシャワシャ・・ジャワジャワ・・」と音を立てて・・・。  おまけにご自分の杖も邪魔して、手のおき場所が定まらない。

  • くっくっ・・と、はらはら・・が入り混じった気分の私。どうなることやら・・と思ってみていたら、幸いな事に、割と直ぐに隣の席が空き、キャンバスの持ち主も座ることが出来た。 ほっ・・・。
  • やっと「フスマ」(!)から解放されたおばあさんが姿を現した・・! (^_-)-☆

良かった!

  • 「どちらまで?」

「上野です」
「毎日ですか?」
「いいえ、一ヶ月に一度です。子供が学校が始まったんで、また教室に行こうと思って」
「私の友達もどこそこの教室で絵をやっているんですよ」
などなど、すっかり打ち解けた二人の話題がほのぼの聞こえてくる・・・。

  • いいなぁ・・、こういう風景って・・・!
  • 本当に人間って素敵だ!

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今日、親王さまの名前が決まった。
【 悠 仁 】 と書いて「ひさひと」さま。
健やかに成長して欲しい。