MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

カラスの知恵

世に疎まれているカラスだが、私はとても可愛いと思う。
前に、むつごろうさんの北の動物王国で飼っていたカラスを見て、何て可愛いのだろうと惚れてしまって以来の縁。
飼いたいなぁ・・・と言ったら主人が「ぶふっ」と咳き込んでしまった。
可能なことなら本当に飼ってみたい鳥だ。(勿論野鳥だから不可能だけれど・・)

そんな心が通じるのか(勝手にそう思っている)、レトリバー二匹を飼っていたデッキに良く遊びにくるカラスがいた。(過去形なのは、ラブラドールの玉五郎くんが一年半前にミマカッテしまい、残ったゴールデンのレトちゃんは家の中で飼っている)

その子は、犬の餌を食べることもあったが、そこら辺をよちよち歩き回り、水桶でブルンブルンと水浴びし、楽しそうに一人で(一羽で)仲間のように振舞っていた。
玉五郎君がいなくなり、レトちゃんが家の中で生活を始めると、いつの間にか彼(と思う)の事は忘れてしまっていた。
時々、庭にある物置の屋根に降りる「ドスン」という物音が聞こえると、あ、彼だ・・・と頭の片隅で思う程度で・・・。
結構体重が重いとみえて、かなり迫力がある音だ。

今朝、PCの前でメールを打っていると、例の「ドスン」という音。
そ〜っと覗いてみると、やっぱりあの子!
網戸越しに多分私の姿が見えるのでは・・と思うが、全然平気でわんこの水桶で美味しそうに水を飲んでいる。
そして・・・。傍に置いていた何かをその水桶の中にボチャンと落として暫くじっと中を見ている・・・。何だろう・・・。
間もなくして引き上げたものは、食パンの4分の一の大きさのもの。
それを塀の上に持っていき、食べ始めた。
二口ほど食べると、次からは「ガリッ」という如何にも固そうな音。
彼はそのパンをまた水桶に持ってきてボチャン・・・・。

ふやける時間を見計らっているかのようにじっと待つ彼の姿は、何とも可愛い。
引き上げては塀の上で食べ、「ガリッ」の部分が来るとまた水桶に「ボチャン」・・・。
四回ほど繰り返し、やわらかく美味しくなったパンが全部彼のお腹に納まったところで飛んでいってしまった。

動物って、どうしてこんなにケナゲなのだろう。
自分の命を守る為にいろんな知恵を総動員して生きている・・・。

また、彼の来訪の合図「ドスン」を心待ちにしていよう・・・。