さて、乗り換えた電車も勿論「優先席」を狙って・・・。
始発駅だったので座れてほっとし、六本木まではゆっくり・・・と思いながら ふと前の席を見ると、あややや・・、このむさくるしい電車の空気がそこだけ「さらりん〜〜♪」と清々しい風景に・・。
きりりと白い半襟を程よく覗かせて、シャリ感のある一重の着物に身を包んだ清楚な若い女性が座っていた。
20台前半・・・?
しっかり白足袋の足を揃えて、うつむき加減の色白の頬が美しい。
髪をきっちり一本の後れ毛も見逃さずに見事に結い上げた風情は、もはや素人の域を出ている。
おじい・おばあさん達の間で光っている彼女が何で「優先席」・・・?
良く見れば、薄いグレー地に白い大きな格子の着物に締めている帯が凄い!
何と、純白のレースのひらひらで出来ている・・・。
その帯の中心で輝いている「ヒスイ」の爽やかな大きなグリーンの帯留め。
もう・・・、何もかも「普通」じゃない!!!
あれ、気が付かなかったけど、左胸には、クリーム色の大きな薔薇のコサージュが・・・。
きっと、帯締めの翡翠の色と合わせて、一層の華やぎを表現したのでしょうね。
ほんと、なんなのぉ〜 このお方はぁ・・・。
薄化粧の輝くような若さにこのイデタチ・・・・!
う〜ん、タダモノではないぞ!!
そして、最後に発見したものにまた仰天したものだ!! (*_*;
先ほどの電車の中で思った「優先席での自己主張」を、完璧に実現していた!!!!
【お腹に あかちゃんがいます】 と描いたプレートを下げていたのだ!!!
これで堂々と「優先席」の住人で過ごせることになる・・・。
凄い!
ある駅で降りる彼女の立ち姿をみたら、お腹はほんのりふっくらしていて、そこへふわりと締めた純白のふりふりレースの帯が、これまた可愛く【短めの舞妓帯」に垂らしてあった・・・。
ふぅ・・・、こりゃ参った!
完璧。
でも、後ろ襟の抜き加減からすると、やっぱり「素人」ではないと直感した。(そんなのどうでも良いけど)(~_~;)
さ〜て、そこからがまた面白かった!!
彼女の向かいの席・・、つまり私の隣に座っていたおじいさん・・・、彼女が降り立ったとたんに、大急ぎで彼女が座っていた席にお引越し!!!
きっと、わたしと同じ気持ちでぼ〜〜〜っと憧れの目で見つめていたと思われ・・・。
その席の「ぬくもり」を独り占めしたかったのだと確信する。
だって、その素早さときたら・・・! ^m^
誰にも渡すものか・・、この残り香を・・・、という勢い!
しっかり座った後の、「むふふ」という満足げな表情を見落さなかったぞ〜!! (^_-)-☆
とうに70歳は過ぎているだろうおじいさんでも、やっぱり感じるのね!この美しさを・・・。
車中ウォッチング 優先席(3)は明日また・・・。 (^_-)-☆
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