MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

車中ウォッチング

朝のラッシュが終った時間帯の電車の中。
駅に着く度に、ひときわ寒い今日の寒さを避けるように温かい車中に転がるように入ってくる人たち。
立つ人もまばらなどこかのんびりした風景。
一渡り見回して、今日はウォッチングする種がなさそうだわ・・と思っていたら、いらっさいました!!    うふ  (^_-)-☆




とある駅から乗ってきて、ささ!と斜め前の席に座った女性。
え・・・? と思わずもういちど彼女に目が泳いだ・・・。
何故かというと、温かそうな彼女のコートがとてもユニークなのだ・・・。
高級感あるグレーの無地はいいとして、信じられないような別布をあちこちに配したコート。


グレーに「人のコブシ」ほどの大きな白いドット(水玉)を織り込んだ生地を、アシンメトリーにあちこちの切り替えに挟み込み、今まで見たことが無い斬新なシルエット。



そっとお顔の方に視線を移す・・・。
これまたびっくり、私を遠く越した感じの年齢のご婦人。
表現するには少し抵抗を感じる「肌つや」「形状」をモノトモセズ、目の上は真っ青!口は真っ赤!眉は触覚!  一言でいうと、一心不乱に一時間は鏡の前で頑張ったことを想像させる念の入りようなお化粧・・・。



それはそれで「ご苦労様でした・・・」という思いがあるのだが、私が気になったのが、口をもぐもぐぐちゃぐちゃしている【ガム】!!!
噛む度に「ホウレイ線」がくっきり掘れ、周囲の頬の筋肉が大活躍しているのが手に取るように見て取れる・・・。

その、真っ赤に塗られた口で噛みまくったガムは、とうとう終点まで噛んでいましたよ。
苦くなっていないのかしら・・・?
既に美味しい筈が無く、何のメリットもないのに、顔面の皺という皺をご披露するはめになっているのに気が付かないのね・・・。


お洒落なお洒落な(奇抜ともいう)コートに、高価そうな(わからんちんな私だけど、高級感漂っているから多分ブランド品?)小さめのエンジ色の皮ボストンバッグ。
右手の皮の手袋を取ってバッグからハンカチを取り出した・・その指には!! なんと、重そうな金の指輪が三本の指にギッシリ・・・、幾つ重なっているのやら・・・、まるでこぼれ落ちそうな程の重量が見て取れる。
指は、真っ赤に燃えるような爪が綺麗に手当てされていて、お見事!
ハンカチで、沖縄の海のようなブルーに彩られた目を拭いてバッグに戻して再度手袋をするが、例の指輪のボリュームが引っ掛かってなかなか指が入らない・・・。




程なくしてまた手袋をごそごそと取りさり、またまたハンカチを取り出す・・・。
今度は口を横に曲げながら鼻の下を拭き、その手で何やら「手品師」のようなことをやり始めた。
ん・・?ハンカチの隅を尖らしてしごいている・・、あ、耳の穴に突っ込んだ!!   
ごしごしごし・・・。
片方が終ると、ハンカチの別の隅を探し出してそこを尖らせる魔術師を再開。
そして、反対側の耳も ごしごしごし・・・。
それを交互に数回・・・。


ごしごし行為一回ごとに目の前に突き出して、耳○を ぱっぱっぱっと床下に落とす・・・。
爪の真紅が生き物のようにしなやかに宙を舞う・・・。





何も、こんなところでやらなくてもぉ〜!   (+o+)



ほんっとにお洒落なコートをお召しだったから、不似合いな行動がいやに気になった私だった・・・。



あ、いや、これを読んで、もし「あれ、私のことを書いた?」とお思いの方がいらしたら、違います!
あなた様はそのような行為は断じてなさらないもっと素敵な方に違いありませんから・・・。  (~_~;)







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