MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

きぬさやえんどうの花


今が獲れ時で、毎日食卓を賑わしている「さやえんどう」。


この「さやえんどう」を見る度に思い出すことがある・・・。



結婚して東京の家人の実家に住み始めた頃、荷車に積んだ野菜を売りにくるおじいさんが我が家の前に毎日のようにやってきた。
義母は、そんな時でも割烹着を脱ぎ、身だしなみを整えてからそそくさと玄関先に出たものだ。
ご近所さんが三々五々集まってきて、我が家の前はちょっとした賑わい・・・。


同居している(お台所は別)私も母に続き外に出て、おじいさんの荷車からお野菜を物色し、「さんどまめ」を下さい・・と言った。
「なに? 【さんどまめ】?」とおじいさん。
「あ、これ?・・・・これは「さやえんどう」だよ。あんた、何処の生まれ?」と目を丸くして言う・・・。



新婚早々のこのちょっとしたカルチャーショックがあれから50年経った今も甦る。

 


さんどまめ・・・、「三度豆」と書くらしいが、一年に三度収穫出来るところからこう呼んだらしい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%A1

ちゃんと「さやえんどう」=「さんどまめ」と表示されているところをみると、おじいさんの見識が狭かったということなのだけれど、なにせ新潟から出て来たばかりの新米ほやほやのウブな私にはかなりなパンチだった・・・。


可愛いえんどうの花をみながら、思いはいつも50年前のういういしい私に戻る。