二階の息子たちの信州土産の小さな花束・・・。
その中に、「けいとう」の赤い花が二本混じっていた。
この「けいとう」の花を見ると、必ず思い出す事がある。
今から53年前・・・、東京から、彼とその父が新潟の我が家に訪れた日のこと。
つまり、「結納」というには余りにも簡素な行事だけれど、二人で結婚を決めた日。
誕生石の「ガーネット」の指輪を付けて頂くだけの行事だったけれど、両家にとっては大事な一日だった。
(私の今までに起こったいろいろな瞬間を見守ってくれて53年。
長男次男の出産の時、その後の手術など乗り越えなければいけない時、それぞれにしっかりと私の左手の薬指で一緒に祈ってくれた・・・。
しか〜〜〜し、今は指が入らない〜〜〜!)・゜・(ノД`)・゜・
その日は、彼と、東京から初めて訪問下さるその父をお迎えするということで、私の父や母が朝から大騒ぎ・・・、粗相がないように・・とあれこれ気配りに余念がなかった。
そんな中、何かの行事には必ず「掛け軸」を選び出すのに苦心する父が、やっぱり時間を掛けて選んでくれたのが、この「けいとう」の花の掛け軸。
すっと二本の「けいとう」の花が寄り添って佇んでいる絵柄を、この日の「掛け軸」に選んでくれた父。
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私が3歳の時・・42歳の父を襲った突然の「右半身不随」の病いにも毅然と立向い、左手・左足で私たち兄妹を立派に(?)育て上げてくれた大好きな父。
( 「けいの部屋」http://rurikoha.web.fc2.com/kei/ )
http://rurikoha.web.fc2.com/kei/koi.htm
もう36年も前に77歳で突然逝った父であるが、「けいとう」の花を見ると、必ずあの日の嬉しそうな「掛け軸選び」の風景を思い出す。
懐かしいなぁ・・・。
あの日からもう53年も経ったなんて・・・。
地味ながら、家人と私もちゃんと寄り添いながらあたたかな家庭を作ってきましたよ、「けいとう」の花のように・・・・。
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