MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

車中ウォッチング 第三話

車中ウォッチングは、見ているその瞬間が面白いのであって、後で話したり書いたりしてもちっとも感動が伝わらないものだ。
だから、外出から帰ったらその日の内にぱぱっと書かないと「賞味期限切れ」状態。
(~_~;)
ところが、外出すると疲れてしまい、なかなかじっくりと書き留めておけないのが難・・。




それにしても人間って、本当に素敵な人が多く、ふとした心の動きを見せてくれるのが楽しい。
外出先への30分程の道のりが楽しくて仕方ない。
いつも「見て見ぬ振りの目付き」できょろきょろ。(~_~;)




さて、今日は一昨日の「第三話」を・・・。





鼻眼鏡のおじさん・・・。
立っている私の目の前に座って、何やらぶつぶつ言いながら紙にすらすら書き込んでいる。
時々薄目を閉じて天井を向き、唇だけもごもごと動かして、ペンを持った手で時々おでこをピンと打ったりしながら。
「競馬の予想」にしてはちょっと様子が違うな・・と膝の上の本をそっと覗いてみると、うわ!黄色とピンクと緑の蛍光色ペンのラインでびっしり彩られた「横文字」の本だった!
しかも、既に何十回何百回と繰られて手垢で薄汚れたよれよれ感漂う本!
何語が書いてあるのかは覗きこむのも失礼だし、見えてもロシア語か英語かフランス語かドイツ語かは判別出来ない私だけれど、「横文字」だということだけは確か!



髪の感じからするともう55歳はとうに過ぎていらっしゃると推察出来る方が、一枚の紙切れにすらすらと赤のボールペンで英語(だと思う)の単語を書き続ける。
失礼ながら、お召しのジャケットはそんな風景には似つかわしくない「作業着風」・・・。



目を白黒して天宙を見つめ、一生懸命暗記しているお顔は真剣そのもの。
しかも、書きつけている一枚の紙には、最初に「赤ボールペン」、それがびっちり埋まると、ペンを切り替えて「紺色」にしてその上から上書き。
一枚の紙切れは四隅がめくれているから始発駅当りから長時間書いていらっしゃった模様。
しかも、裏も「赤と紺」の単語がびっしり・・・!!!!



いやぁ・・・、感動!
真剣に真剣に寸暇を惜しんで外国語を勉強しているおじさんに拍手〜!!!

そして、紙の独特の節約方法にも拍手〜!!!






.