おんなを卒業した私だけれど、やっぱり「お雛様」はわくわくする。
思い出にある我が家のお雛様といえば、母手作りの「だるま雛」。
お内裏さまの他に三人官女や五人囃子まで揃っていて、なんとも可愛い愛嬌もの達。
円形の白い生地の縁を縫い縮めて、中に綿を詰めたものを雪だるまのように重ねたもの。
五人囃子のボクたちには「金太郎前掛け」を着せていたような記憶が・・・。
どうしてこのお雛様だけで毎年過ごしてきたのか・・・?5人も女の子がいたのに不思議。
でも、みんなこのお雛様が大好きで、大満足だった。
各々の大事なお人形なども飾って、わくわくして過ごしたものだ。
「母の手作り」ということが嬉しかったのかもしれないし、それが当たり前だと思って過ごした。
高価な本格的なお雛様を欲しいと思ったこともない。
忘れ難いぬくぬくした感じを今になっても持ち続けられていられるのは、そんなころころした漫画チックな縫いぐるみの「だるま雛」に母のぬくもりを感じていたからかもしれない。