★ 前の人 ★
私は、これでも若い時は取り敢えず「女性」だった。
いまでこそ「どすこい」の名を欲しい侭にしているヒトだが、どうして・どうして、30台〜40代はちゃんと普通の女性だった。
杉並区のとある社宅に棲息していた頃の話・・・。
昼下がりのアンニュイなひとときを過ごしていると、「ピンポーン!」とチャイム。
「は〜い」取りあえず髪など撫で付けながら玄関へ・・・。
新聞販売員の方が立っている。
そして出迎えた私を見て、目をきょとんとして言った。
「あれ、ここにいた前の人、転勤したんですか?」。
「????」何をおっしゃっているのか・・?とキョトンとする私。
「3ヶ月前に来た時は、わか〜い(!)素敵な奥さんがいたんですが・・・」
「はぁ〜!?」
「転勤ですか・・・」
「・・・。あの、・・・前からここにいましたけど・・・私」。
「いや、もっとわか〜い(!)奥さんでした!」
・・・・・・
分かった!
今日はお化粧をしていない!
「もっとわか〜い奥さんだった!」と主張する新聞やさんに、早々に断りを
入れて引き下がってもらったのは言うまでもない。
前の「わか〜い奥さん」ご一家は、転勤したのです!
そうそう!そういうことにしましょ!
一人になって、鏡の前。
うん〜ん!。
納得、納得。
「転勤したわか〜い奥さん」を呼び戻しましょ!
時々このシーンを思い出しては、自戒としていたのに、最近の私のおばあさん振りにはびっくりする。
お出かけ時は「別人28号!」
これじゃ〜、・・・ね〜!
「転勤した若〜い奥様」をとり戻しましょ!!!!
鏡に向かって取り合えず紅を入れてみる・・・。
あぁ・・(*_*;
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