MEMEの日々のことども

日々の星屑を拾って書き残そう・・、そんな「85歳」。  HP「素材の小路」「MEMEのベランダ」(裸婦デッサン等)「MEMEの便箋」「ドレスの小路」「けいの部屋」など。

人間ウォッチング 私編 (めが枯れる)

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      めが枯れる    (20年前の出来事)
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二階に住む孫たち二人が一階の我が家に「お泊まり保育(!)」を良くした。

たった一階下なのに、週末になるとママパパの許可を貰って
嬉々として我が一階へ。

やっぱり気分が変わって楽しいのだろう。

簡易ベッドを二つ用意しておいて、バタン、バタンとセットして一丁上がり。
そこでテレビを見たり、ゲームをしたり、しりとりをしたり、本当に楽しそう。

思わず夜更かししても明日は日曜。お寝坊しても大丈夫。

その日も例によってお泊まり。
朝の食事はサンドウィッチと紅茶と牛乳。
さんさんと陽が入るリビングで、こうして孫と食事をしているおばあちゃんはし・あ・わ・せ!


と・・・・、孫娘はぴが言った。

「おばあちゃんのめがかれてるんだよね!」
「ん?・・・」
「だからさぁ〜。おばあちゃんのめ!かれているんだよね!」
「目が枯れている?・・・」
「この前言ったじゃない!おばあちゃんの<つぶつぶ>、枯れたから出来たんだって!」

あぁ〜!、思い出した!
彼女が言う、<つぶつぶ>。
<ぶつぶつ>じゃないところが大事。
つまり、顔の「しみ(!)」の事。

前にお泊りに来た時、朝の光の中、しみじみ顔を覗きこんで言ったものだ。
「おばあちゃんの顔の<つぶつぶ>はなぁ〜に?」

つまり、顔の年輪、「しみ」のことをいっていることに気が付いた。

ママやパパや、おにいちゃんには無いものを発見して不思議に思ったのだろう。

ぎょっとしながらも、おもむろに話し出した。
「これはね〜、はぴちゃん、年をとると、みんな出来るのよ。(ほんとか?)
ほら、葉っぱが枯れる時は最初に少し茶色のぼちぼちが出来て、それがどんどん広がって、ぜ〜んぶ茶色くなって枯れて落ちていくでしょう?。
それとおんなじで、おばあちゃんも年をとったから、少し茶色いつぶつぶが出来てきたのよ。」

はぴ、「ふ〜ん!、じゃ、おばあちゃん、もうすぐ死ぬんだぁ!」

ま、待ってよ。そこまで先走られるとおばあちゃん、ぎゃふん!
それも、凄い事を発見したように、得意げにいわれてみると、何やら悲しい。







そこで、最初から説明しだした。
「樹って、最初、若い芽(!)がでてくるでしょ。そして二つの若葉が
出来て、つやつや綺麗に輝いているよね!
それから、丈夫な葉っぱが出てきて、どんどん成長していくでしょ。

そのころがはぴちゃんとか、おにいちゃんの年の葉っぱなの。


きれいで、力強くて、みずみずしくて、・・・。
そして、大人の葉っぱになると、濃いいろの硬い立派な葉になり、
堂々と陽を浴びて広がっているよね。

その頃がパパとママの葉っぱ。



でも、冬が近付いてくると、少しづつ茶色のつぶつぶが出来て、
そして、全部茶色になって枯れてしまうのね・・・。

「葉っぱのフレディ」の本さながらの話をした・・・。

つもりだったのだが、4歳のはぴには、
葉っぱに「芽」が出て、「つぶつぶ」が出て、茶色に成って「死んじゃう」がインプットされてしまったらしい。
「目」は「芽」だったのだ!

「芽が枯れている・・・」

明るい朝の陽の中で、彼女の目の中には、まさに「芽が枯れて」➡マダラに茶色に変色していく「葉っぱのおばあちゃん」が存在したのだろう。



光って、きらい!





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