昨日の記事の「テーラー」の鈴木さん(http://d.hatena.ne.jp/retoto/20131209/p1)
がパリへの進出の第一歩にした事と言えば、小さな生地に【ボタンホールを数種類】を丁寧に手作業でかがったものを校長先生に送って見てもらうことだったそうだ。
それを校長先生は今でも保存していて、テレビで見せてくれた。
細かく、一分の隙もなくかがった素晴らしい「ボタンホール」を見て、彼の優秀さを悟り、その後何くれとなく力になってくれたとか。
★
その「ボタンホール」を見ていて、先日の「車中」のことを思い出した。
座っている私の目の前に立ったご婦人のコートを何気なく見ていると、ん・・・? これって、バックスキンでできているよね・・、と気が付いた。
お召しのコートは、紫の花模様を染めた今どき見たことが無いような材質。
そして、またまた面白い発見!
つまり、ボタンホールが、昔の婦人の高級服には絶対に欠かせなかった「バイヤス仕立て」のもの。
このボタンホールは、バイヤスの共布でホールの両脇を細く縁取りをするので、実に細かい作業が求められる。
洋服を作る上で一番細かい仕事なので、この出来栄えが腕の見せ所・・・と言える大事な部分。
今は、婦人物でも殆どが機械で糸ががりしたボタンホールになっていて、こんなバイヤス布でくるんだボタンホールの洋服などとんと見かけなくなっていた。
まるで骨董品を見るような想いで懐かしくなってしまった!
ふと見ると、ボタンも共布で作った大きなクルミボタン。
おっとぉ〜〜〜!!!
そのクルミボタンが、良い感じに擦り切れる寸前までに使い込まれていた〜〜!!!
そう・・・、彼女は多分私より少し上の方でいらっしゃるご様子だけど、きっと、昔・昔、大奮発をしてお誂えでお作りになった一張羅(・・ではないかもしれないけど)を、今もこうして大事にお召しになっていらっしゃるのね・・・!
その「大事に着る」ことの嬉しさ、楽しさを再発見したのだった。
丁度私も昔、グレー紫のバックスキンのオーバーを縫ったことがあった。
大好きで随分着たのだけれど、いかんせん、このドスコイ体型には勝てず、ゆとりの融通が利かないデザインだったこともあり、とっくの昔に廃棄の運命をたどらせたのだった。
今こうしてあの時代(だと思う)のオーバーを大事に大事に着ていらっしゃる目の前のご婦人。
いいなぁ・・・。
・・・と、古いものを大切に着こなしていらっしゃる彼女のバッグに目が行き、「・・・・・」 わぉ!
それこそ「目が点」!!!
グレーのポシェットのようなバッグに・・・、可愛い色とりどりの「ぞうさん」が行列していた!!!
クラシックなバックスキンの紫の花模様のコートに、アニメ風な「ぞうさん」の行列!!! のポシェット!
わ〜ん、このアンバランスさは、どうしたものだろう・・・・。 (*_*;
私的には、頭がパニック!!
.